故旧無大故、則不棄也
痛くも楽しい友保護者の方が最も気にされていることは、「うちの子は友達と仲良く遊べていますか?」だと思います。まだ一人遊びが中心の年齢から、徐々に友達と遊ぶようになる時期、人との関わりが不安でならないと思います。他の子に意地悪をしてないだろうか?仲間外れなんかされたら、可哀そうで胸が潰れてしまう!よく出る友達の名前があって微笑ましい。この子とは気が合うかも、少しでも長く遊ばせてあげたい!等、お子様の交友関係だけで心を揺さぶられてしまいます。たぶんそれは、友達という存在が、如何に大切かを皆様が知っているからと思います。
幼稚園では、必ずしも上手に友達と遊べている子ばかりではありません。むしろ、小さなトラブルは沢山あります。鬼ごっこで、自分ばかり狙われていると怒り出す子。大人の世界なら、たぶんつき合いを控えてそんなに関わらないようになるのでしょう。しかし、子どもは次の瞬間には、普通に遊んでいます。憶えてもいないでしょう。とても感心します。自分もこのように人と関われたらと思います。すぐに傷つけ合って、瞬く間に傷が癒え、また傷つけあう。そんな瞬間が多すぎて、かなり注意して見ないと、普通に楽しく過ごしているとしか見えません。
「ヤマアラシの距離感」という言葉があります。ヤマアラシはご存じの通り、鋭いトゲを体中に持っている動物です。2匹のヤマアラシが寒さを凌ごうと身を寄せ合う姿を想像してみてください。お互いのトゲで、お互いをつつき合い、なかなか上手に暖がとれません。何回も何回も傷つけ合いながら、徐々にトゲが刺さらない距離やトゲの向きの調節を覚え、暖がとれるようになるという例えを基にした話です。
皆様が知るように、友達関係は大切なもの、その子の一生の財産になるものです。そんなものがそう簡単に手に入る訳がありません。楽しければ楽しいなりに、苦しければ苦しいなりに、それぞれ子どもたちは悩み乗り越えて獲得します。十分に心配して、気をもんで、悩んでください。そして、例え仲間外れにされようが、相手を傷つけてしまおうが、その経験が将来の人間関係の糧になると、心の奥底で信じていてください。どんなことがあっても大丈夫です。皆様がいるかぎり。
少し離れるだけでも 淋しがって 涙をためて この手を握りしめてた君が
今日は自分から この手を離して 新たな風に目を 輝かせ歩き出す
君が大人になっていくのが 嬉しくて 淋しくて 今日も君の幸せを願ってる
君よ進め その背中に希望をせおって どんな時も未来を信じて
がんばる姿 見つめているよ 「いってらっしゃい」 大丈夫、君よ進め
一人でもちゃんと できるようになりなさい 人に優しく 思いやりを忘れないで
泣きたい時は 甘えてもいいんだよ 決してひとりじゃ ないことも忘れないで
君が強くなっていくこと 必要で 心配で 時に厳しいこともある日々だから
君よ進め その心が道に迷っても どんな時も自分を信じて
君の場所はいつもここにある 「おかえりなさい」 何回だって言うよ
月日が過ぎるのはあっという間で だからこそ今を心に残そう
ぎゅっと抱きしめた温もりを 覚えていてね 見守っているから どんな時も信じるから
君よ進め その背中に希望をせおって どんな時も未来を信じて
がんばる姿 見つめているよ「いってらっしゃい」 大丈夫
君よ進め 果てしなく続く道を行こう どんな時も自分を信じて
見上げれば 花びら 風に舞う 「いってらっしゃい」 大丈夫、君よ進め
大丈夫、君よ進め
by藤田麻衣子「君よ進め」